日本酒選びで、どれが甘口なのか辛口なのかわからなかったことはありませんか?
そんなときに便利なのが、日本酒度という数値です。
この記事では日本酒度の意味や見方をご紹介します。
日本酒度の意味を知っているだけで、日本酒選びが効率的になり今まで以上に選びやすくなるはず。
人気な日本酒度の高い銘柄と日本酒度の低い銘柄もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「日本酒度」とは?意味や見方
日本酒度とは、日本酒の甘味や辛味を数値で表したもの。
日本酒の中の糖分がどれくらい含まれているかで数値が変動します。
この数値は水の重さ基準で考えられていて、糖分が多く含まれているほど水よりも重くなるので、甘いほど日本酒度はプラスに。
糖分が少ないほど水よりも軽くなるので日本酒度の数値はマイナスになります。
マイナスなほど甘く、プラスなほど辛いと判断してください。
ただし、日本酒の味を決めるのは日本酒度だけではありません。
次の章では、日本酒度以外の味の要素をご紹介します。
日本酒度以外の日本酒の味を決める要素
日本酒の味を決めるのは日本酒度の他に3つの要素と器やお酒の温度などがあります。
日本酒のラベルに記載されているものもあるので、好みの日本酒をチェックしてみましょう。
日本酒の味を決めるのは日本酒度だけではなく3要素ある
日本酒の味を決めるのは日本酒度以外に、酸度、アミノ酸度、アルコール度数の3要素があります。
ちょっと複雑ですが、これを理解して多くと日本酒選びがグッと楽しく簡単になります。
1つずつチェックしてみましょう。
酸度
日本酒の中の酸の量を表したのが酸度です。
酸度はコハク酸、りんご酸、乳酸などの複数の酸で構成されています。
日本酒における酸は、日本酒にキレを与えている大事な要素です。
酸度が高いほど辛口に感じ、低いほど甘口に感じます。
キレのある日本酒を求めている人は、酸度にも注目して探してみましょう。
アミノ酸度
日本酒に含まれているアミノ酸の量を表したのがアミノ酸度です。
セリン、アルギニンなどの約20種類のアミノ酸で構成されていて、コクや旨味を生み出しているので日本酒の味に大きく関わってきます。
アミノ酸度が高いほど旨味の強いコクのある甘口の日本酒で、アミノ酸度が低いほど淡麗な辛口の日本酒です。
アミノ酸度が高すぎると雑味が多く感じるので、ラベルに表示されているアミノ酸度もチェックしてみましょう。
アミノ酸度数値で旨味や淡麗さがわかります。
アルコール度数
アルコール度数が高いほど濃く感じて飲みにくいと感じることがあります。
低いと、糖が残ることで甘味を感じて飲みやすい日本酒に感じる人も多いようです。
日本酒のアルコール度数は酒税法で22度未満と決められていて、それ以上はリキュールに分類されます。
一般的な日本酒は15〜16度が多いです。
飲みやすい日本酒を求めるなら、アルコール度数の低い日本酒を選ぶと良いでしょう。
基本的にラベルに記載されているので確認しやすい要素です。
温度や器などでも日本酒の味は変わってくる
日本酒度と3要素以外にも、日本酒を入れる器や温度によっても味は変わってきます。
温度で変化する日本酒の味
日本酒の温度は以下の表によって名前と味が変わってきます。
5℃ | 10℃ | 15℃ | 20℃ | 30℃ | 35℃ | 40℃ | 45℃ | 50℃ | 55℃ |
雪冷え | 花冷え | 涼冷え | 冷や(常温) | 日向燗 | 人肌燗 | ぬる燗 | 上燗 | 熱燗 | 飛び切り燗 |
冷酒は「雪冷え」「花冷え」を指します。
吟醸香の香りを一番感じやすく、スッキリとした飲み口の温度です。
常温は「涼冷え」「冷や」のことを指します。
利酒もこの温度で行われますが、雑味を感じやすいことが理由です。
ぬる燗は「日向燗」「人肌燗」「ぬる燗」を指します。
香りが引き立ち、味に膨らみが出ます。
熱燗は「上燗」「熱燗」「飛び切り燗」を指します。
シャープな香りが引き立ち、コクと香りが広がります。
飲む日本酒に合わせて温度を変えると楽しみの幅も広がりますよ。
器で変化する日本酒の味
器の口径が広いと、空気に触れる面積が広くなり香りを感じやすいです。
熱燗はアルコールを強く感じやすく敬遠している人もいますが、口径の広い器で飲むことでアルコールの匂いを飛ばして飲みやすくしてくれます。
器は主にお猪口とぐい飲みがあります。
お猪口は一口で飲めるので、冷酒や熱燗を温度を変えないまま飲めます。
お猪口の徳利は口がしまっているので、温度が変わりにくいのが特徴。
ゆっくりと味わいたいときにおすすめです。
ぐい飲みはお猪口と違って一口では飲みきれない量のお酒が入ります。
たくさんの日本酒を一気に注ぐことで、味が分散することがありますが、お猪口のように一口ずつ注ぐ必要がないのでマイペースに飲むことができます。
また、温度の変化も感じられるので、ゆっくりと変わっていく日本酒の温度の変化も楽しみたい人にはおすすめです。
日本酒度を参考にした日本酒の選び方
一般的に日本酒度が変化すると、以下の表のように味が変化します。
大辛口 | 辛口 | やや辛口 | 普通 | やや甘口 | 甘口 | 大甘口 |
+6.0以上 | +3.5〜
+5.9 |
+1.5〜
+3.4 |
−1.4〜
+1.4 |
−1.5〜
−3.4 |
−3.5〜
−5.9 |
−6.0以上 |
甘口、辛口の目安に参考にしてみてください。
確認方法は、ラベルの裏や説明に書かれている日本酒度をチェックします。
日本酒度以外の3要素も確認してみましょう。
- 酸度は高いほど辛口、低いほど甘口に感じる
- アミノ酸度は高いほど甘口、低いほど辛口に感じる
- アルコール度数は高いほど濃く感じ、低いほど甘く飲みやすく感じる
3つの要素と日本酒度を合わせて、日本酒選びの際に目安にすると選びやすいです。
マスターすれば、日本酒選びがグッと楽しくなりますよ。
辛口好き必見!日本酒度の高い人気なお酒5種類!
この章では、日本酒度の高い人気な日本酒をご紹介します。
今回ご紹介するのは日本酒度11以上の大辛口の日本酒です。
辛口の日本酒を探している人はぜひチェックしてみてください。
【日本酒度+11】平孝酒造 日高見 超辛口 純米酒
淡麗辛口のスッキリした日本酒です。
今宵は、平孝酒造さん(宮城)の「日高見 超辛口純米酒」。金目鯛のお造りとミズダコのうす造りと合わせています。お造りやお寿司といった魚介に日高見は欠かせません!ミズダコをポン酢につけて口へ、すかさず日高見を口に含みます・・・幸せです! pic.twitter.com/CodLi0DGDM
— tetsu (@dobukame14) August 5, 2015
素材の味を大事にしていて、米本来の甘味を感じることもできます。
常温か熱燗がおすすめ。
淡麗辛口のスッキリした熱燗を飲みたい方におすすめの日本酒です。
【日本酒度+12】春鹿 超辛口 純米酒 黒ラベル
辛口酒でコクとキレが自慢の日本酒です。
さらっとした口当たりなので、食中酒としても人気があります。
冷酒でも熱燗でも美味しく楽しめるので、幅広い楽しみ方をしたい方におすすめです。
【日本酒度+15】山本合名会社 白瀑 純米 ど辛
口にふくむとほのかな甘味を感じる辛口の日本酒です。
飲み込むと辛味を感じるので、2度楽しめます。
フルーティーでスッキリとした日本酒を求めている方におすすめです。
【日本酒度+18】泉橋酒造 いづみ橋 恵 純米酒
辛口の純米酒です。
低精白というお米をあまり磨かずに作った日本酒で、コメの旨味と味を上品に引き出しています。
穏やかな香りで口当たりのドライな日本酒を求める人におすすめの日本酒です。
【日本酒度+28】六歌仙酒造協業組合 山法師 爆雷 超辛口純米生原酒
日本で一番辛いお酒というように、日本酒度は28%もあります。
山法師 純米生原酒爆雷辛口
日本一辛い日本酒。特別な酵母を使い精米歩合も抑え旨みを残しながら超辛口の味わい。口中に広がるスッキリとした米の旨みの後に、パンチのある辛味が広がる。 pic.twitter.com/4g5OT2HvbV— 金本位制 (@0tomenakanemoto) March 29, 2020
口に含んだ途端超辛口のパンチの強さを感じます。
冷酒、常温共におすすめです。
甘口好き必見!日本酒度の低い人気なお酒5種類!
この章では、日本酒度の低い人気な日本酒をご紹介します。
今回ご紹介するのは日本酒度20度以下の大甘口の日本酒です。
甘口の日本酒を探している人は、ぜひチェックしてみてください。
【日本酒度−20】向井酒造 伊根満開 赤米酒
1つの稲から少量しかとれない貴重な古代米を使用している日本酒です。
古代米(赤米)に含まれているタンニンの薄い赤色をしています。
冷やしても常温でもソーダ割りでも美味しく飲めるので、いろいろな飲み方を試したい人におすすめの甘口の日本酒です。
【日本酒度−32】越後鶴亀 ワイン酵母仕込み 純米吟醸
爽やかな酸味に優しい甘味のワイン酵母を使用した純米吟醸酒で、白ワインのような味わいで一味違う面白い日本酒を求めている人にはぴったりです。
本日の晩酌は新潟市・越後鶴亀さんの『越後鶴亀 ワイン酵母仕込み純米吟醸酒』。
ワイン酵母で醸した日本酒。香りはたしかにワイン。さてお味は……やっぱりワインw
でも喉を通る時はどことなく日本酒らしい風味が感じられる。面白い一本です🍶 pic.twitter.com/Z9srAwZg1W— 四季しのぶ🍁♨️🍶福島からエールを贈るよ🎵 (@shikishinobu) October 23, 2018
酸味が強めなので、日本酒度−32ですが甘口感はそれほど強く感じません。
アルコール度数も13%と一般的な日本酒より低めなので、飲みやすいです。
【日本酒度−70】宝酒造 澪 スパークリング清酒
スーパーやコンビニでも売っている人気な甘口でスパークリングの日本酒です。
甘口でアルコールは5%ととても飲みやすいので、初めて日本酒を飲む人や気軽に日本酒を楽しみたい人におすすめです。
女性を中心に、日本酒が苦手な人にも人気があります。
【日本酒度−90】木下酒造 玉川 Time Machine
超甘口の純米酒です。
玉川のTime Machine、アイスにかけるとホントにおいしい〜Vintageだとさらにとろける😍 pic.twitter.com/bqnPGHcu4f
— ミキティ (@lemmeseeee) September 6, 2016
日本酒版デザートワインというように、食前酒やアイスクリームにかけても美味しく楽しめます。
ロックでも上燗でも美味しく飲めるので、いろいろな楽しみ方をしてみたい人におすすめの日本酒です。
【日本酒度−100】西條(資)天野酒 僧房酒
室町時代〜戦国時代の製法を忠実に再現し、豊臣秀吉も気に入ったとされる当時幻と言われた日本酒です。
蜂蜜のような色をした超甘口で、芳醇な甘い日本酒を試したい方におすすめです。
まとめ
日本酒度は日本酒の甘味や辛味の指標です。
自分の好みのお酒を見つける参考にしましょう。
日本酒の味は日本酒度以外にも酸味やアミノ酸、アルコール度数なども関係しているので、チェックしてみてください。