「コーヒーのアメリカンってどういう意味だろう?」とお調べですね。
アメリカンコーヒーは、カフェでも喫茶店でも必ず見かけるメニューですが、意味を正しく理解している人は多くありません。
アメリカンの定義や特徴、ブレンドやアメリカーノとの違いが分かると、気分にピッタリのコーヒーメニューを選べるようになるはずです。
そこで今回は、アメリカンのおいしい淹れ方や、アメリカンにピッタリのコーヒー豆、スイーツも合わせてご紹介します。
アメリカンコーヒーに関する知識を深めて、日常のコーヒータイムをより豊かで自分好みに過ごしましょう。
コーヒーのアメリカンとは?
アメリカンコーヒーとは「浅く焙煎したコーヒー豆で淹れたコーヒー」のことです。
ただ「薄いコーヒー」や「抽出したコーヒーをお湯で薄めたコーヒー」ではありません。
実際、薄めたコーヒーをアメリカンとして提供しているお店もありますが、本来それは勘違い。
アメリカンが色が薄くてコクが少なく、味がすっきりしているのは、浅煎りのコーヒー豆から淹れるためなのです。
口の大きいカップで飲むアメリカンコーヒーが一番好き。 pic.twitter.com/58M8aDkpTw
— taroka (@taroka) April 23, 2013
アメリカンコーヒーを好む人はとても多く、人気な種類となっています。
アメリカンコーヒーの由来
アメリカンコーヒーを日本語に訳すと「アメリカのコーヒー」という意味になりますが、アメリカでアメリカンコーヒーといっても全く通じません。
アメリカンは、日本で誕生した日本独自のコーヒーメニューだからです。
由来は諸説伝わっていますが、有力な説はこの2つ。
- 戦後のアメリカ人が浅煎りコーヒーを好んで飲んでいた
- アメリカ大陸開拓時代に高度な機械がなく、焙煎の浅いコーヒーを飲んでいた
いずれにせよ、アメリカスタイルのコーヒーということで、アメリカンコーヒーと名付けられました。
コーヒーのアメリカンとブレンドの違い
アメリカンが薄めの味わいなので、ブレンドは濃いコーヒーかと思われがちですが、2つの違いは味の濃さではありません。
ブレンドコーヒーのブレンドは「混ぜ合わせる」という意味。
つまり、数種類の異なるコーヒー豆を混ぜ合わせて淹れるコーヒーのことです。
配合するコーヒー豆の原産地や焙煎具合によって風味が変わるので、味わいが濃いことも薄いこともどちらもあります。
対してアメリカンは「浅煎りコーヒー豆」を用いたコーヒーなので、原産地の違う浅煎り豆を複数配合した場合、ブレンドアメリカンコーヒーとなるのです。
アメリカンは「浅煎り」、ブレンドは「複数豆配合」と言えるでしょう。
ちなみにブレンドと反対に、単一コーヒー豆だけで淹れたコーヒーはストレートと呼ばれています。
コーヒーのアメリカンとアメリカーノの違い
アメリカンとは別に、「アメリカーノ」というドリンクもあります。
アメリカーノとは「エスプレッソをお湯で薄めたコーヒー」で、海外でも通じるメニューです。
浅煎り豆から淹れるアメリカンに対して、アメリカーノに焙煎具合は関係なし。
コーヒーの粉に圧力をかけて短時間で抽出した濃厚エスプレッソを、飲みやすくお湯で薄めたものがアメリカーノです。
名前は非常に似ていますが、浅煎り豆の酸味が強いアメリカンと異なり、アメリカーノはエスプレッソの風味と苦味が残ります。
このように他のメニューと比較することで、アメリカンコーヒーの特徴を理解できるでしょう。
アメリカンコーヒーの作り方5ステップ
それでは、おいしいアメリカンコーヒーの作り方を見ていきましょう。
手順は以下のようなものです。
- 浅煎りのコーヒー豆を選ぶ
- 細かくしすぎないようにコーヒー豆を挽く
- 高めの温度のお湯を用意する
- 多めのお湯で速めに淹れる
- 浅煎りのコーヒー豆を選ぶ
これら5ステップを順番に行えば、美味しく淹れられるはずです。
それぞれの手順について、具体的に見ていきます。
具体的な美味しいアメリカンコーヒーの淹れ方
まずアメリカンコーヒーには、浅煎りコーヒー豆のご用意を。
8段階ある焙煎度合のうち、2~3番目となるシナモンロースト~ミディアムローストのコーヒー豆を選びます。
アメリカンコーヒーに合う豆の挽き方は中挽き~粗挽きなので、細かくしすぎないようにコーヒー豆を挽くこともポイント。
一般的に市販されている中細挽きでも作れますが、粗めの方がより風味の残った軽やかな味わいを引き出せます。
お湯の温度は、少し高めの90度以上がアメリカンにはおすすめです。
酸味が強い浅煎りコーヒー豆をバランスよい味わいに抽出するには、苦味を出すことも必要となっています。
そして、すっきりした味のアメリカンコーヒーには抽出時間も重要なので、通常よりも速めに注ぎ淹れるようにしましょう。
アメリカンコーヒーに合う豆の種類
アメリカンに用いるコーヒー豆の種類に、特に決まりはありません。
しかしながら、酸味がはっきりとした軽めの味わいを楽しむコーヒーなので、コーヒー豆も爽快感のある酸味を持つ銘柄がおすすめです。
- コロンビア
- ブラジル
- グアテマラ
- キリマンジャロ
- アメリカンブレンド
それぞれのコーヒー豆の銘柄について、順番に見ていきましょう。
コロンビア
酸味と苦味が非常に良いバランスのコロンビアコーヒー豆です。
ほどよい甘みも特徴で、クセが少ないため、ブレンドコーヒーのベースにもよく使われています。
ブラジル
ブラジルもコロンビアと同様、さわやかな酸味とほどよい苦みのバランスの良いコーヒー豆です。
こちらもブレンドコーヒーによく用いられており、あっさり飲める味わいが特徴となっています。
グアテマラ
中南米のグアテマラで生産されたコーヒー豆は、はっきりとした酸味と明るいフローラルな香りが特徴です。
やや強めの酸味の中に、ほんのりと苦味やコクを感じられます。
キリマンジャロ
東アフリカのタンザニアにあるキリマンジャロ山域で生産されるコーヒー豆です。
強い酸味と芳醇な香り、しっかりとしたコクがありますが、のどごし軽やかという特徴があります。
アメリカンブレンド
「自分で豆を選ぶのは難しい!」あるいは「バランスの優れた味わいを楽しみたい!」という人には、アメリカンコーヒー専用にブレンドされたコーヒー豆がおすすめです。
複数の浅煎りコーヒー豆を配合することで、すっきりしつつも広がりのあるアメリカンコーヒーが仕上がります。
アメリカンコーヒーと合う食べ物
コクが少なくあっさりした味わいのアメリカンコーヒーには、同様にすっきりした風味や優しい甘みの食べ物がよく合います。
たとえば、以下のような食べ物です。
- 塩気のあるもの
- バターのコクが少ないもの
- 軽食やフルーツ類
アメリカンコーヒーを飲むときに何か一緒に食べたいなら、これらの食べ物を選ぶとより美味しいです。
それぞれについて、順番に見ていきましょう。
塩気のある食べ物
ビスケットやクラッカーなど塩気のあるスイーツやお菓子はアメリカンコーヒーにピッタリです。
ともすれば少し脂っぽくなる後味をアメリカンコーヒーがさっぱりさせてくれます。
バターのコクが少ない食べ物
バターのコクが少ない食べ物も合いやすいです。
バターの風味が強い食べ物には、アメリカンコーヒーが負けてしまうのであまり合いません。
シフォンケーキやクッキーなどのバター分の少ないスイーツやお菓子と相性が良いです。
軽食やフルーツ類
軽食やフルーツ類もおすすめです。
トーストやサラダ、ゆで卵など、喫茶店に出てくるような軽食もアメリカンコーヒーに非常に合います。
また、酸味が強めのアメリカンコーヒーの場合には、オレンジなどの甘酸っぱいフルーツも意外に合うのです。
【補足】アメリカンプレスでコーヒーを淹れるのもアリ!
ちなみに、コーヒーにはアメリカンプレスという淹れ方があります。
ペーパーフィルターを使ったドリップ式ではなく、新しいコーヒー抽出器具であるアメリカンプレスを使う方法です。
アメリカンプレスやってみたんだが…めちゃめちゃおいしい…
比較的薄めになるって聞いて、濃いめ意識したけどバッチリ👌
味の幅が効きそうだし、何より抽出過程が楽しい☕️焙煎は…また今度ね😢 pic.twitter.com/PvrPfbSfST
— ぱるす (@parusdx) July 21, 2019
アメリカンプレスとは、フレンチプレスとエアロプレスの間ぐらいのコーヒー抽出器。
中挽き以上のコーヒーの粉をポッドに入れて、水圧でコーヒーを抽出します。
ペーパーフィルターを使わないのでオイル分がしっかり残り、すっきりながらも舌触りなめらかなコーヒーを楽しむことが可能です。
まとめ
すっきりした酸味が特徴で、苦味が抑えられ、ゴクゴク飲めるアメリカンコーヒーについて解説しました。
実は日本独自のドリンクで、コーヒー文化を深めようとした日本人が、バリエーションの1つとして創り出した和製コーヒーです。
アメリカンが日本で深く浸透したのも、日本人が生み出したドリンクと考えれば納得できるでしょう。
アメリカンコーヒーの発祥に思いをはせ、特徴を感じながら、今まで以上にコーヒータイムを楽しんでみてください。