今回で第3回となる薬膳茶コラム。
第1回は
- 薬膳とは「その人の体質と季節に合った料理」
- 身近にあるお茶に期待できる効能
について、ご紹介いたしました。
https://thedrinktimes.com/tea/orientaltea/
第2回では、
- 冷え症におすすめの「ショウガ茶」と「シソ茶」
- のぼぜ症におすすめの「薄荷茶」と「りんご茶」
それぞれ2種類ずつご紹介いたしました。
https://thedrinktimes.com/tea/coldandhotsensitivity/
今回は、日常にみる「一時的な不調」に役立つ薬膳茶をご紹介いたします。
不調の原因はどこから?
中医学(東洋医学)は、科学的に証明する現代の医学(西洋医学)と比べると独特な概念で成り立ちます。
「人体は気・血・津液の3つで成り立っている」もその1つ。
気は、生きる力・エネルギー。
血(けつ)は、血液・栄養を体に行き渡らせる力。
津液(しんえき)は、血液以外の体にある水分のこと。
中医学では、人体の中にあるこの3つのバランスが崩れると不調になると考えられています。
身近な不調3つ
体調が整う時間は、体質によって変わってきます。
不調が出たら、なるべく早く対処したいところ。放置してしまうと、悪化する可能性もあります。
ここでは、よくある3つの不調とおすすめの薬膳アレンジティーをご紹介いたします。
食べ過ぎたとき
食べ過ぎてしまったときは、お腹が重く苦しいですよね。
消化をしたり、消化したものを運搬する「気」の不足が原因と考えられます。
ここでは、消化し運搬してくれる効果が期待できる薬膳アレンジティーを2つご紹介いたします。
プーアル陳皮茶
生薬の1つ陳皮(ちんぴ)は、みかんの皮のこと。
体も心もスッキリさせてくれる香りは、消化を助けくれるプーアル茶との相性も良い味です。
お湯・・・200cc
プーアル茶葉・・・3g
陳皮・・・1g
サンザシ茶
サンザシは、健康食品屋さんで見かけることが多い食材。
消化を促してくれる効能が高いといわれ、食べ過ぎた時でも程よい酸味でスッキリいただけます。
プーアル茶はもちろん、スッキリ飲める烏龍茶と組み合わせるのもおすすめです。
お湯・・・200cc
烏龍茶葉・・・3g
サンザシ・・・スライス1~2個
眠れないとき
眠れないときは、何か不安があったり緊張して体がリラックスできないことが多いのでは。
体に栄養が行き渡っていないことや、不安感や疲労感に関わる「気」や「血」に原因があると考えられます。
ここでは、体はもちろん心もリラックスさせる効果が期待できるお茶を2つご紹介いたします。
マイカイカ茶
マイカイカはバラのことで、つぼみの状態であることが多い食品です。
香りが良く、塞ぎ込みがちな気持ちを解放してくれるといわれています。頭をスッキリさせてくれる緑茶と一緒にどうぞ。
カフェインが気になる方は、ノンカフェインの緑茶でお楽しみくださいね。
お湯・・・200cc
緑茶葉・・・3g
マイカイカ・・・2個
ブドウ茶
ブドウは「血」を補う効果が期待できるといわれています。
旬であれば、フレッシュなブドウを絞って入れるも良いですし、ブドウを乾燥したレーズンで代用も良いですね。
緑茶でも良いですし、冷えが気になる方は紅茶でお楽しみください。
お湯・・・200cc
紅茶葉・・・3g
ブドウ・・・1〜2個
(レーズン・・・3〜4)
スッキリ出ないとき
お腹に溜まっていると、体も重くなって気分もなんだか重く感じてしまいませんか。
原因に「気」や「津液」が関わっていると考えられます。
そんなときは、体の潤いを補いつつ余分なものを出す効能が期待できるお茶をどうぞ。
ハトムギ茶
ハトムギは日常でも馴染みのある食品ですよね。
こちらは体の潤いを補いつつ、余分なものを輩出させる効果があるといわれています。美容目的でもポピュラーな食品ですね。
陳皮(ちんぴ。みかんの皮のこと)を加えるとさらに効果的です。
緑茶とともにどうぞ。
お湯・・・200cc
緑茶葉・・・3g
ハトムギ・・・3g
(陳皮・・・1g)
杏仁茶
杏仁は腸の潤いを補う効果があるといわれています。
下している方にはおすすめできませんが、お腹の張りがあって出ない方にはぜひおすすめです。
杏仁自体はアーモンドのような見た目をしていますが、見つからなければ杏仁粉で代用OKです。
お湯・・・200cc
緑茶葉・・・3g
杏仁・・・2個
(杏仁粉・・・小さじ2分の1)
以上、身近な不調に対応する薬膳アレンジティーをご紹介させていただきました。
ちなみに、ハーブティーに関心がある人には、サントリーグループのハーブ専門店もオススメです。
まとめ
今回は、身近な不調に役立つ薬膳アレンジティーをご紹介いたしました。
次回、最後の第4回目には「1人の時だからこそ飲んでほしい、思わず深呼吸させてくれるような薬膳アレンジティー」をご紹介いたします。
お茶の時間を通して、自身を労るきっかけになれば幸いです。
メディア関係に携わるも、お茶が好きで転職。紅茶・中国茶・漢方茶の専門店にそれぞれ勤務ののち、「お茶を飲む時間」に魅了されお茶会やセミナーを開くまでに。
オリジナルブレンドの販売や、飲食店のドリンクメニュー監修を手がけています。
「Attention me!」(自分を知り・生き・思いやる)をモットーに、東洋思想に想いを馳せながらお茶を飲んでいます。
薬膳のほか、色彩心理や占いに通じるWebの人。