紅茶を選ぼうとして、種類の多さに驚いたことはないでしょうか?
お店やネットでも、紅茶は産地別に分けられやすいです。
今回は、紅茶の基礎知識を確認した上で、産地別に紅茶の種類と味の特徴をまとめました。
紅茶は種類がたくさんありますが、少しでもわかってくると飲むのが一気に楽しくなります。
この記事を読んで、ぜひ今まで以上に紅茶を好きになってください!
紅茶とは?なぜ産地別で分けられるの?
紅茶とは、椿やサザンカの仲間である常緑樹「カメリアシネンシス」の葉を強酸化発酵したものです。
カメリアシネンシスというのは、チャの木のこと。
カメリアシネンシスには中国種とアッサム種があり、アッサム種で作ったものが「英国式紅茶」、中国種は「中国式紅茶」と分けられています。
それぞれの品種や産地によって味の特徴が異なりますよ。
味の特徴が品種だけではなく産地によって異なるので、紅茶が産地別で分けられやすいのです。
ちなみに、同一の葉を半発酵したものが「青茶」(ウーロン茶もこの仲間)、発酵していないものが「緑茶」となります。
つまり、紅茶・ウーロン茶・緑茶は同じ木の葉からできているのです。
違いは製法だけなんて、面白いですよね。
それでは、紅茶の基礎知識を知ったところで、いよいよ紅茶の主な産地と味の違いについて見ていきましょう。
インドの紅茶
インドは、世界最大の紅茶生産国です。
種類も豊富ですが、インドの紅茶は主に以下の3つです。
- ダージリン
- アッサム
- ニルギリ
それぞれ順番にご紹介します。
ダージリン
世界三大銘茶のひとつであり、世界的にも有名な産地の名前がそのまま茶葉の名前になったダージリン。
その味はさわやかさと引き締まるような渋みをもち、マスカットのようなフルーティーな香りが印象的で「紅茶のシャンパン」といわれるほどです。
ダージリンは、年に3回旬を迎えます。
それぞれの季節によって味や香りが変わってくるので、ダージリンだけでも年中楽しめる紅茶です。
それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
順番に見ていきます。
ダージリンファーストフラッシュ
ダージリンファーストフラッシュは3月中旬から4月に摘まれ、春摘み、一番摘みといわれます。
特徴は、普通の紅茶に比べ発酵が少ないので緑茶のような青みあるキリッとした味わい。
爽やかで、どこか甘みある香りが楽しめます。
ダージリンセカンドフラッシュ
ダージリンセカンドフラッシュは5月から6月に摘まれ、夏積み、二番摘みともといわれます。
ダージリンファーストフラッシュより強くハッキリとした味と香りですが、緑茶のような青みは柔らかくなります。
私たちが一番馴染みのある味が、ダージリンセカンドフラッシュです。
ダージリンオータムナル
ダージリンオータムナルは、10月から11月に摘まれ、秋摘みともいわれます。
ファーストフラッシュやセカンドフラッシュに比べ、芳醇で深い味わいが特徴。
渋みも感じやすくなるため、ミルクとの相性も良いダージリンです。
ダージリンについてもっと詳しく知りたい方は、「ダージリンとはどんな紅茶?特徴や効果からおいしい飲み方まで紹介!」を読んでみてください。
アッサム
アッサムは、芳醇な香りと濃厚な味わいが特徴です。
主張が強いので、ストレートで飲むには人を選ぶ可能性があります。
ですが、ミルクとの相性が良いためミルクティーが好きな人にはオススメの紅茶です。
アッサムについてもっと詳しく知りたい方は、「アッサムとはどんな紅茶?特徴やおすすめの飲み方を紹介!」を読んでみてください。
ニルギリ
ニルギリは、インド茶葉の中では珍しくニュートラルな味わいが特徴のお茶です。
というのも、後に出てくるスリランカに近い地域のため、セイロンティーに近い優しい味と香りが印象的となっています。
強い味の紅茶が苦手な方や、紅茶に親しみたい方の入門茶としてもオススメの紅茶です。
ニルギリについてもっと詳しく知りたい方は、「ニルギリとはどんな紅茶?美味しい飲み方や人気の茶葉について紹介!」を読んでみてください。
スリランカの紅茶
世界最高の紅茶産地として知られるスリランカ。
かつてはイギリスの植民地だったため、当時の呼び名そのままにスリランカの紅茶は「セイロンティー」として世界に広がりました。
なので、セイロンティーとはスリランカでつくられた茶葉のことです。
ちなみに、当時セイロンの紅茶を世界に広めたのは紅茶王「トーマス・リプトン」であり、午後の紅茶に使われている茶葉もスリランカのものとなっています。
セイロンティーといえば、優しい味と香りが人気です。
アレンジするにも相性が良いところも多くの人に愛される理由となっています。
スリランカの紅茶は主に以下の7つです。
- ウバ
- ルフナ
- サバラガムワ
- キャンディ
- ヌワラエリヤ
- ディンブラ
- ウダプセラワ
それぞれ順番にご紹介します。
ウバ
世界三大銘茶のひとつであるウバ。
上品な渋みと香りを持つため、ミルクとの相性が良い紅茶です。
イギリスのミルクティーにもっとも使われることから、ミルクティー文化をつくった茶葉ともいえるのではないでしょうか。
クオリティーシーズンのウバは、世界最高級の紅茶として高値で取引されています。
ウバについてもっと詳しく知りたい方は、「ウバ茶とはどんな紅茶?美味しい淹れ方やピッタリな飲み方を紹介!」を読んでみてください。
ルフナ
セイロンティーの中では個性的な、渋みとスモーキーさやほろ苦さがあるルフナ。
やさしさの中にもコクが強く、カラメルや穀物のような香りが特徴です。
砂糖やミルクとの相性が良いので、チャイがお好きな方にもオススメします。
ルフナについてもっと詳しく知りたい方は、「ルフナティーとはどんな紅茶?おすすめの茶葉や合うフードを紹介!」を読んでみてください。
サバラガムワ
ルフナから分離し、新しい地域名が付けられたサバラガムワ。
キャラメルのようなコクや味わいがあり、ほんのり若葉のよう香りが特徴です。
1年を通して安定した品質と味を保つため、年中いつでも楽しめます。
ミルクとの相性が良いので、砂糖たっぷりのミルクティーやチャイが好きな方にオススメです。
サバラガムワについてもっと詳しく知りたい方は、「サバラガムワとはどんな紅茶?おいしい飲み方や合うフードを紹介!」を読んでみてください。
キャンディ
セイロンティー発祥であり、古い歴史を持つキャンディ。
近年では、茶葉自体に甘さを持つ茶園が増えてきました。
ロイヤルミルクティーがお好きな方にオススメです。
キャンディについてもっと詳しく知りたい方は、「キャンディとはどんな紅茶の茶葉?旬やおいしい飲み方を紹介!」を読んでみてください。
ヌワラエリヤ
フルーティーな香りが特徴のヌワラエリヤ。
ヌワラエリヤは避暑地としても有名で、爽やかな風が感じられる場所となっています。
やわらかいながら独特の渋みを持つため、渋みを楽しみたい方はストレートティーがオススメです。
ヌワラエリヤについてもっと詳しく知りたい方は、「ヌワラエリヤはどんな紅茶?おいしい飲み方や合うお菓子を紹介!」を読んでみてください。
ディンブラ
マイルドで深い味わいが特徴のディンブラ。
セイロンティーを代表する紅茶です。
強い主張がない分、紅茶が苦手な方や、やさしいミルクティーがお好きな方にオススメです。
ディンブラについてもっと詳しく知りたい方は、「ディンブラとはどういう紅茶?おすすめ茶葉や飲み方も解説!」を読んでみてください。
ウダプセラワ
上品でメロウな花の香りが特徴のウダプセラワ。
華やかな香りとバランス良い渋みや甘みが特徴の紅茶です。
飲みごたえあるしっかりとした味わいなので、ストレートで本来の味を楽しむもよし、ミルクを入れて1口1口を楽しむのもよし。
セイロンティーの中では比較的新しい茶葉とはいえ、一度飲むとやみつきになる人が多い紅茶です。
ウダプセラワについてもっと詳しく知りたい方は、「ウダプセラワとは花のような香りの紅茶!特徴やおいしい飲み方を紹介」を読んでみてください。
中国の紅茶
お茶発祥として長い歴史を持つ中国。
緑茶・ウーロン茶・紅茶など、中国は世界一のお茶生産国です。
中国のお茶といえば、ウーロン茶や緑茶を思い浮かべる方も多いですよね。
中国の紅茶は海外に比べ、カフェインや渋みが少ないためスッキリ飲めると人気があります。
中国の主な紅茶は以下の2つです。
- キーマン
- 雲南紅茶
順番にご紹介しましょう。
キーマン
世界三大銘茶のひとつであるキーマン。
キーモンやキームンともいわれます。
その特徴は、スモーキーな花の香りとマイルドな味。
イギリス王室御用達のキーマンは、今でも女王の誕生日に飲まれる習慣が残っています。
他の紅茶に比べて香り豊かなキーマンは、ミルクを入れても香りを楽しめますよ。
キーマンについてもっと詳しく知りたい方は、「キーマンとは?世界三大紅茶で人気な銘柄の特徴や美味しい飲み方」を読んでみてください。
雲南紅茶
世界最古のチャの木がある雲南省でつくられる雲南紅茶。
雲南の古称は「滇(てん)」であることから、雲南紅茶は「滇紅(てんこう)」ともいわれます。
独特な花の香りと蜂蜜のような濃厚な甘さが特徴です。
もともとプーアル茶や緑茶の名産地である雲南省。
紅茶の栽培はまだ歴史が浅いながら、注目を集めている紅茶です。
アフリカの紅茶
世界の国別紅茶生産量のうち、17%を誇る紅茶生産地アフリカ。
歴史は浅いのですが、茶葉の品種改良や生産技術が進んでいること、安定した品質の高さが人気の理由です。
数あるアフリカ紅茶の中でも、ここでは代表的なケニアをご紹介します。
ケニア紅茶
アフリカ紅茶の中でもさらに歴史が浅いとはいえ、2005年には世界生産量第2位まで上り詰めたケニア紅茶。
しっかりとコクのある味わいで、やわらかな甘い香りが特徴です。
ケニア紅茶といえば、その特徴を活かすため茶葉を丸い粒状に加工して販売されることがほとんど。
抽出時間が短くてもしっかりと味が出るため、ミルクとの相性は抜群。
コクのある豊かな味のミルクティーがお好きな方にはぜひ、オススメしたい紅茶です。
ケニアについてもっと詳しく知りたい方は、「ケニアとはどんな紅茶?人気の飲み方や合わせやすいフードも紹介!」を読んでみてください。
インドネシア
紅茶の生産量や輸出量は世界でも4番目を誇るインドネシア。
その中でもジャワ島産地のジャワティーが人気です。
日本でも自動販売機で売られていることもあり、見たことがある人も多いのでは。
クセがなく日本人好みの味なので、紅茶入門茶としてもオススメの紅茶です。
数あるインドネシア紅茶の中でも、ここでは代表的なジャワをご紹介します。
ジャワティー
香りや渋みが穏やかで、後味スッキリのジャワティー。
さらりと飲めるので、日常の中で飲むシーンを選ばず水分補給や食事のお供にも合う味です。
フルーツを入れたり、ミルクを入れたりなどのアレンジにもオススメです。
ジャワティーについてもっと詳しく知りたい方は、「ジャワティーとはどんな紅茶?日本人に人気の理由や飲み方を紹介!」を読んでみてください。
【補足】フレーバーティー
特別な方法で茶葉に香りつけしたものを、フレーバーティーといいます。
フレーバーティーの中でも、ダージリンと並んで人気なのがアールグレイ。
アールグレイは、その人気の高さから「茶葉の名前じゃないの?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、フレーバーティーの中でも人気のアールグレイについて少し触れてみます。
アールグレイ
アールグレイは、茶葉にベルガモットという柑橘類の香りをつけたフレーバーティーの1つです。
例えば、ダージリンの茶葉でもセイロンの茶葉でも、ベルガモットの香りをつけたものは全てアールグレイとなります。
アールグレイの中でも、茶葉が丸く加工されていたらミルクティー向きと考えて良いでしょう。
ミルクティーがお好きな方は、ぜひそちらも試してみることをオススメします。
アールグレイについてもっと詳しく知りたい方は、「アールグレイとは? 紅茶の中でも人気なフレーバーティーを徹底解説」を読んでみてください。
まとめ
紅茶は、同じチャの木の葉からつくられていても産地によって特徴が変わってきます。
そのため、様々な紅茶がいろいろな時期で楽しめるのです。
今回は代表的な茶葉をまとめました。
ぜひ、紅茶好きな人へのプレゼントの参考に、ご自身のティータイムのクオリティアップに、お役立てになれば幸いです。
好みの紅茶を見つけて、素敵なティータイムをお過ごしください!