コーヒーの歴史をていねいに解説!世界や日本が動いた転換点とは?

「コーヒーってどんな歴史をたどってきたんだろう?」とお調べではないでしょうか。

普段当たり前のように飲まれているコーヒーですが、実はその歴史は1000年以上前にまで遡ります。

コーヒーの歴史について興味があるのなら、世界と日本それぞれのコーヒー史を知っておくことで、コーヒータイムをより一層楽しめるようになるはずです。

そこで今回は、コーヒーの歴史を世界と日本に分けて紹介しながら、現在大人気のコンビニコーヒーの歴史についても解説します。

コーヒーの歴史を知ることで、今までよりもコーヒーを楽しくのみましょう。

目次

コーヒーの歴史を簡単に解説!歴史が動いた6つの転換点とは?

コーヒーの歴史を知りたいなら、ポイントを押さえながら確認するべきです。

コーヒーの歴史を簡単に理解するために、大きな転換点を6つピックアップして紹介します。

  1. 10世紀!アラビアの医師が初めてコーヒーについて書く
  2. 13世紀!アラビアとエチオピアでコーヒーが発見される
  3. 16世紀!世界初のコーヒーハウスが開店する
  4. 17世紀!アメリカにコーヒーが伝わる
  5. 18世紀!コーヒーがアメリカの常用飲料となる
  6. 19世紀!日本人科学者がインスタントコーヒーを開発する

これら6つの転換点を押さえておけば、コーヒーが辿った歴史を大まかに理解できます。

まずは大まかに理解しておけば、より詳しくコーヒーの歴史を勉強したくなったときにも役立つこと間違いありません。

それでは、それぞれの転換点を順番に見ていきましょう。

10世紀!アラビアの医師が初めてコーヒーについて書く

歴史上に残されたコーヒーに関するはじめの記録は、西暦900年頃のものです。

アラビア人の医師ラーゼスが「コーヒーには消化や強心、利尿の効果がある」と記録しました。

その後、イスラム教徒の医師も同様の記録を残しています。

彼らの文献によると、初期のコーヒーは薬に近く、医学的な作用が注目されていたとのこと。

コーヒーの始まりは、実は嗜好品というよりも医学的なものだったのです。

13世紀!アラビアとエチオピアでコーヒーが発見される

13世紀になると、飲み物(嗜好品)としてコーヒーが用いられ始めます。

1258年頃、イスラム教徒のシーク・オマールは、偶然見つけた果実を摘み取りスープを作りました。

こうしてできたスープ(コーヒー)は香りが良く、飲むと元気が湧いたそうです。

また同じ頃、エチオピアのアラビア人ヤギ飼いも、同じような経緯でコーヒーの美味しさや効能を発見しました。

こうして、コーヒーは、薬ではなく飲み物として世界中の人々に広まっていったのです。

16世紀!世界初のコーヒーハウスが開店する

飲み物としてのコーヒー発見から約300年後の1554年、世界初のコーヒーハウスがトルコでオープンします。

世界初のコーヒーハウスは2店舗開店しましたが、両店のオーナーとも現在のシリア・アラブ共和国出身だったそうです。

コーヒーハウスが開店すると、社交の場としてトルコ人の熱狂的な支持を集めました。

両店とも調度品と装飾にこだわり抜群の居心地だったようで、雰囲気は現在のカフェに近かったと言われています。

人気が高まるにつれてコーヒーハウスは豪華になり、様々な国の商人・旅人・知識人たちが集まりました。

こうして、コーヒーハウスは、賢者の学校とも呼ばれるようにまでなったのです。

17世紀!アメリカにコーヒーが伝わる

世界初のコーヒーハウスのオープンから約50年後の1607年、ついにアメリカにコーヒーが伝わります。

コーヒーをトルコからアメリカに伝えたのは、探検家のキャプテン・ジョン・スミスです。

トルコを訪れたジョン・スミスは、流行しているコーヒーをとても気に入りました。

トルコを離れたジョン・スミスは植民団・コーヒーと共にバージニア州に到着します。

こうして、北アメリカ大陸にコーヒーが上陸しました。

18世紀!コーヒーがアメリカの常用飲料となる

アメリカにコーヒーが伝わってから約170年後の1773年、コーヒーがアメリカの常用飲料に上り詰めます。

コーヒーが伝わっていたものの、それまでのアメリカでは紅茶が圧倒的人気を誇っていました。

しかしコーヒーの貿易競争の敗北を受けて、イギリスが紅茶貿易に切り換えたことで事態が一変します。

イギリスは輸入紅茶を独占した上で、アメリカに対して重い税金をかけたのです。

この対応に怒ったアメリカの人々は、ボストンに停泊中のイギリス東インド会社の船を襲い、積み荷の紅茶を海に投げ捨てました。

上記のボストン茶会事件を機に、アメリカの人々は紅茶よりもコーヒーを好むようになったと言われています。

19世紀!日本人科学者がインスタントコーヒーを開発する

アメリカの人々にコーヒーが広く親しまれるようになってから約120年後の1899年、インスタントコーヒーが開発されます。

日本人の科学者である加藤サルトリ博士は、真空乾燥法によるインスタントコーヒーの発明に成功しました。

とはいえ当時の日本にはインスタントコーヒーの販路がなかったため、アメリカの博覧会にて出品・販売を行います。

しかしこのとき特許を取得していなかったので、その後に別の方法でインスタントコーヒー作りに成功した発明者に、特許を取られてしまったのです。

こうしてサルトリ博士は幻の発明者として歴史に埋もれてしまいますが、彼の発明はコーヒーの世界的な普及を助けました。

以上、コーヒーの歴史を6つの転換点で紹介しました。

ここまで読めば、コーヒーがどのように発見されて広まったのかが理解できたと思います。

そこで次に「日本におけるコーヒーの歴史も知りたい」と思う人も多いはずです。

ここからは、日本にコーヒー文化が定着するまでの歴史をまとめたので確認しておきましょう。

いつごろ日本にコーヒーが広まった?スタバ上陸までの歴史

日本にコーヒー文化が定着するまでの歴史を、6つの出来事にまとめて紹介します。

  1. 1782年!日本で初めてコーヒーに関する文献が登場する
  2. 1858年!コーヒーの輸入が正式に開始する
  3. 1888年!日本初の喫茶店が開店する
  4. 1944年!戦争によりコーヒーの輸入が禁止される
  5. 1953年!輸入再開を受け全日本コーヒー協会が発足する
  6. 1996年!日本初のスターバックスコーヒーが開店する

これら6つの出来事を押さえておけば、日本コーヒー文化が浸透していくまでの歴史を大まかに理解できます。

今では当たり前に飲まれているコーヒーですが、上記6つの歴史を知ることでより親しみが湧くはずです。

それでは、それぞれの出来事を順番に見ていきましょう。

1782年!日本で初めてコーヒーに関する文献が登場する

日本の歴史で初めてコーヒーが現れたのは、1782年の江戸時代のことだとされています。

蘭学者の志筑忠雄は訳書『萬国管窺』で、「コーヒーは豆ではなく木の実」だと正確に訳しました。

しかし当時はコーヒーの輸入が始まっていなかったので、あくまでも「外国で飲まれている飲み物」だったようです。

1858年!コーヒーの輸入が正式に開始する

初めてコーヒーが日本の歴史に登場してから約70年後の1858年、コーヒーの輸入が正式に開始します。

この年に日米修好通商条約調印されて、日本における自由貿易が開始されたためです。

それまでにシーボルトによるコーヒー効能解説の影響を受けた人もいましたが、多くの日本人はここで初めてコーヒー に触れます。

とはいえ、輸入開始当時は日本の市民向けではなく、居留地の外国人向けに取引されていました。

広く日本の市民にコーヒーが広まるのは、それから約30年を経てからとなります。

1888年!日本初の喫茶店が開店する

コーヒーの正式な輸入開始から30年後の1888年、日本初の喫茶店が開店します。

日本初の喫茶店は、東京下谷黒門町の「可否茶館」です。

当時のブラックコーヒー1杯の値段は、1銭5厘(現在の300円程度)でした。

その後、浅草・大阪・銀座・京橋などに、次々とコーヒー専門店がオープンしていきます。

とはいえ庶民の利用は少なく、文化人たちが文学・芸術・西欧思想などを論じるサロンとして活用されました。

1944年!戦争によりコーヒーの輸入が禁止される

日本人がコーヒーが親しむようになってから約60年後の1944年、第二次世界大戦の影響でコーヒーの輸入が禁止されます。

日本の政府によって、コーヒーは贅沢品・敵国飲料だとみなされたためです。

これにより、向こう10年間は日本の市民の間でコーヒーが飲まれなくなったので、暗黒時代とされています。

1953年!輸入再開を受け全日本コーヒー協会が発足する

コーヒー輸入の全面禁止から約10年後の1953年、全日本コーヒー協会が発足します。

なお3年前の1950年にコーヒーの輸入が再開され、戦前期のように市民の間で再び楽しまれるようになりました。

さらに1964年にはICA(国際コーヒー協定)に加入したことで、日本におけるコーヒー市場拡大が促されます。

くわえて1960年にインスタントコーヒーの国内製造が開始し、日本のコーヒーブームが沸き起こる契機となりました。

1996年!日本初のスターバックスコーヒーが開店する

全日本コーヒー協会が発足してから約40年後の1996年、日本初のスターバックスコーヒーが開店します。

日本初のスタバは銀座でオープンし、空前のカフェブームが巻き起こることになりました。

なお1997年にはタリーズコーヒーの日本1号店も銀座でオープンし、現在でも人気を博しています。

以上、日本にコーヒー文化が定着するまでの歴史を紹介しました。

ここまで読めば、どのようにして日本にコーヒー文化が浸透したのかが理解できたはずです。

ちなみに、カフェや喫茶店と一緒に日本のコーヒーブームを牽引する存在として、コンビニコーヒーが挙げられます。

ここからは、そんなコンビニコーヒーの歴史についてまとめたので確認しておきましょう。

3. コンビニのコーヒーはいつ誕生した?進化と改良の歴史を知ろう

コンビニコーヒーの販売にいち早く着手して成功を収めたのは、セブンイレブンです。

そのためコンビニコーヒーの歴史を知りたいなら、セブンイレブンのコンビニコーヒーの歴史を確認すると良いでしょう。

セブンイレブンのコンビニコーヒーの進化と改良の歴史を、以下の5つの出来事に分けて紹介します。

  1. 1983年!セブンイレブンでコンビニコーヒーが誕生する
  2. 1988年!淹れたてのドリップコーヒーが販売開始される
  3. 1990年代!粉末のカートリッジ式コーヒーが導入される
  4. 2002年!セルフ方式でエスプレッソの提供を開始する
  5. 2011年!新型コーヒーマシンが導入されて大ヒットする

これら5つの出来事を知っておけば、普段楽しんでいるコンビニコーヒーがどのように進化してきたのか理解できます。

それでは、それぞれの出来事を順番に見ていきましょう。

1983年!セブンイレブンでコンビニコーヒーが誕生する

コンビニコーヒーの歴史は、セブンイレブンにて産声を挙げました。

1983年、セブンイレブンがコーヒーサイフォンで作ったコーヒーをポットに入れ、小分け販売を開始します。

当時、ポットのコーヒーを小分けにして販売する手法自体は、新幹線や喫茶店でも広く採用されていました。

ところが、コーヒーを作り置きすることで、時間経過による渋みが問題となります。

そのため、初期のコンビニコーヒーは人気が得られませんでした。

1988年!淹れたてのドリップコーヒーが販売開始される

1988年、セブンイレブンは新しいドリップマシンを導入し、淹れたてコーヒーの提供を開始しました。

コーヒーを淹れるまでの所要時間を短縮したことで、コンビニでも新鮮なコーヒーを販売できるようになります。

ただし、当時のマシンの仕様上、ヒーター部分にコーヒーポットを置きっぱなしにする必要がありました。

これにより、コーヒーの香りが店内に充満して不評につながったため、撤退を余儀なくされます。

1990年代!粉末のカートリッジ式コーヒーが導入される

1990年代に入ると、1杯分の粉末が入ったカートリッジ式のコーヒーマシンを導入しました。

これは、現在のネスカフェ・ドルチェグストに近いマシンです。

ただし当時のカートリッジ式のマシンは、コーヒーの味そのものに問題がありました。

そのため、味への不満からリピートに繋がらず販売数が伸びなかかったため、次なる革新が求められるようになります。

2002年!セルフ方式でエスプレッソの提供を開始する

2002年になると、バリスターズカフェというブランディングが開始されます。

これにより、コーヒーに加えてエスプレッソ・カフェラテを主力商品とした販売が始まりました。

ただしコーヒーの味と安さではマクドナルドに敗北、エスプレッソの味と雰囲気ではスタバ・タリーズに敗北してしまいます。

上記店舗のコーヒーを上回る商品を開発することが、コンビニコーヒーの最重要課題となりました。

2011年!新型コーヒーマシンが導入されて大ヒットする

これまで多くの進化と改良を重ねた結果、2011年に新型コーヒーマシンが導入されます。

新型コーヒーマシンでは、誰が飲んでも納得できる万人受けするコーヒーを目指しました。

そこで富士電機と協業して、徹底吟味した上で小型新型コーヒーマシンの共同開発に成功します。

そして、200社のコーヒーの味を分析し、飲みやすさと飲み応えの最適なバランスを見つけました。

さらに、全国1万6000店舗に供給するために、安定して入手できる豆探しも徹底して行っています。

上記の試行錯誤と努力の積み重ねにより、「安価でも美味しいコンビニコーヒー」は現在の味にたどり着きました。

コンビニコーヒーの歴史は、愚直な企業努力の積み重ねの歴史と言い換えることができます。

以上、コンビニコーヒーの歴史を紹介しました。

ここまで読めば、さまざまなコーヒーの歴史についてわかったと思います。

そこで次に「コーヒーの歴史をもっと詳しく知りたい」と思う人も多いはずです。

最後に、コーヒーの歴史を学べるわかりやすい本をまとめたので確認しておきましょう。

コーヒーの歴史は本で詳しく学ぼう!オススメ書籍3選

コーヒーの歴史を学べる本のなかでもオススメの書籍として、以下の3冊を紹介します。

  1. コーヒーの歴史
  2. 珈琲の世界史
  3. 歴史を変えた6つの飲物

これら3つの本から気になったものを選んで読めば、コーヒーの歴史についてより詳しくなれます。

この記事を読んでコーヒーの歴史がもっと知りたくなった人は、ぜひ活用してみてください。

それでは、それぞれの本を順番に見ていきましょう。

1冊目. コーヒーの歴史

1冊目は、『コーヒーの歴史』(原書房)です。

主にコーヒーの栽培・消費の広がりや移り変わりについて詳しく学べます。

さらに各地のコーヒー文化や、コーヒー産業の実態・スペシャルティコーヒーについても紹介されているので、コーヒーに関する幅広い知識を吸収するのにうってつけです。

価格は2500円前後ですが、コーヒーのレシピも付いているので「自宅で美味しいコーヒーを入れて読書したい」人にもおすすめします。

書籍名 コーヒーの歴史
公式サイト http://www.harashobo.co.jp/book/b452554.html

2冊目. 珈琲の世界史

2冊目は、『珈琲の世界史』(講談社現代新書)です。

この記事で紹介した世界や日本についてのコーヒー史を、より詳しく学べます。

さらにスペシャリティコーヒーやコーヒー文化の未来についても述べられているので、コーヒーの歴史を深堀りするのにうってつけです。

新書であり1,000円未満で購入できるので、「手軽にコーヒーの歴史について読みたい」人にもおすすめします。

書籍名 珈琲の世界史
公式サイト http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210931

3冊目. 歴史を変えた6つの飲物

3冊目は、『歴史を変えた6つの飲物』(楽工社)です。

この本では、コーヒーのほかに、ビール・ワイン・蒸留酒・茶・コーラと世界史との関わりあいについて学べます。

定価で3000円前後と高額ですが、「コーヒー以外の飲み物の歴史を幅広く知りたい」人におすすめしたい本です。

書籍名 歴史を変えた6つの飲物
公式サイト https://www.rakkousha.co.jp/books/isbn80-5.html

まとめ

コーヒーの歴史は、10世紀のアラビアからスタートします。

それから7世紀後、アメリカにコーヒーが広まった後に、「ボストン茶会事件」をきっかけにコーヒーが急速に浸透して、現在に至りました。

日本では、1858年の輸入開始をきっかけに徐々に浸透しましたが、戦争の影響でコーヒー輸入が禁止されたため、一時的に終焉を迎えています。

しかし、戦後の輸入再開を受けブームが再来し、カフェブームの火付け役であるスターバックスコーヒーが開店するまでに浸透しました。

普段飲んでいるコーヒーがどのような経緯で誕生して日本にやってきたのかを知って、今まで以上にコーヒーのある生活を楽しみましょう。

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